
安定運用の部分とコアの部分とサテライトの部分に分けて考える運用です
コア・サテライト戦略とは、中核となるコアの部分に、補完するサテライトの部分を加えて運用するポートフォリオ運用の1つの形です。分散投資の手法で、コアの部分と、リスクを高めたサテライトの部分とに役割を分けます。ポートフォリオ全体として、過度なリスクを回避しながらリターンの上積みを目指します。
中核となるコアの部分は、資産形成を目指して長期的に安定した運用を継続するための、金融資産の土台を形成するものです。資産の安定的な成長を目指す部分で、低コストで広範囲に分散投資を行うグローバルな株価指数に連動するインデックスファンドが候補です。
安定運用の部分には、株式等のリスク資産とは異なるリスクとリターンの特性を持った資産を組み入れます。
株価指数に連動するインデックスファンドに投資してパッシブな運用を目指す場合でも、多種多様な株価指数の中からどの株価指数を選択するのかについては、アクティブな判断が求められます。
ランダム・ウォーク理論
バートン・マルキール教授(注1)は、長期的なリターンが期待できる唯一の方法は、株式インデックスへの投資であると結論付けています。
(注1)アメリカの経済学者で、1973年に上梓された『A Random Walk Down Wall Street』(邦題:ウォール街のランダムウォーカー 株式投資の不滅の真理)は投資のため書籍としてロングセラーとなっている。
投資戦略は単純明快です。個別銘柄に投資するよりも、幅広い銘柄に分散投資したインデックスファンドを保有する方が良い結果が得られるというものです。コアな部分を幅広い銘柄に分散投資したインデックスファンドにしておけば、分散投資の効果からリスクを軽減できます。広く分散投資されたインデックスファンドを長期保有することが最良の投資法としています。株価の動きは予測不能というランダム・ウォーク理論(注2)に基づいて、インデックス投資の優位性を主張しています。
(注2) 株価の値動きは、どの時点においても長期的にも短期的にも「上昇と下降の可能性」がほぼ同じであり独立した事象であるから、過去のトレンドやデータによって将来の株価の値動きや方向性を予測することは不可能であるという理論
市場平均のポートフォリオは、プロのアナリストの運用するものと変わらないパフォーマンスを上げることができるとしています。低コストで市場平均のリターンが狙えるインデックスファンドに投資するのは非常に賢い選択肢ではないでしょうか。
次回ご説明しますが、サテライトの部分は、中核となるコア部分よりも、高いリターンを目指して積極的に運用する部分です。
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