
資産運用の基本理念は、国際分散投資です
グラフはMSCIワールド・インデックスの約20年間の指数の推移です。MSCIワールド・インデックスは、米国のMSCI Inc.が、算出して公表している世界的に知られるグローバルな株価指数です。日本を含む23の先進国の大型株・中型株の1511銘柄で、構成されています。この株価指数は浮動株ベースの時価総額加重平均方式で算出され、各国の浮動株調整後の時価総額の約85%をカバーしています。(2023年10月31日現在)
MSCIワールド・インデックスの国別構成比率

(出典)MSCIワールド・インデックスの国別構成(2023年10月31日)https://www.msci.com/documents/10199/178e6643-6ae6-47b9-82be-e1fc565ededb
23の先進国は、米国、カナダ、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イスラエル、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、オーストラリア、香港、日本、ニュージーランド、シンガポールで構成されています。
国別構成比率では、米国の70.08%を筆頭に、日本6.13%、英国4.11%、フランス3.24%、カナダ3.12%と上位5カ国で約86.68%を占めています。
国際分散投資には、株価指数の力を活用する
株価指数に沿った運用を目標とした投資信託のことを、インデックスファンドと呼んでいます。株価指数は、株式市場の状況を示すために、個々の株価を一定の計算方法で総合し、数値化したものです。継続的に算出・公表しています。投資家が相場全体を把握する「ものさし」として活用されると共に、投資信託を運用するためのベンチマーク(注1)としても用いられます。
(注1)ベンチマークとは、金融、資産運用や株式投資における指標銘柄など、比較のために用いる指標を意味します。
資産運用を行う上で、世界の経済成長と景気循環の波を先取りする株式市場の動きを的確にとらえるために、株価指数は重要な存在です。インデックスファンドを選ぶということは、ベンチマークである株価指数を選ぶということです。インデックスファンドは、ベンチマークである株価指数に採用されている銘柄に投資します。インデックスファンドに投資することで、ベンチマークである株価指数の採用銘柄に分散投資するのと同じ効果が得られます。株価指数に連動を目指す運用をするため、会社調査などのコストが少なく、比較的低コストで運用成果が得られます。
世界三大投資家としてよく知られる米国のウォーレン・バフェット氏は、インデックッスファンドの長期保有を勧めています。ウォーレン・バフェット氏は「プロでない人々が目指すべきなのは、株式市場で個別の勝者を当てることではない」としています。
個別銘柄の割安・割高、リスクを的確に判断するのは、企業分析の専門家でも難しいことです。割安な銘柄を選ぶために、理論的に妥当と考えられる価格を発見することは、普通の個人が片手間にできることではありません。つまり個別株式の理論価格を発見する役割を、簡単に普通の個人が担うことは到底できないことと思われます。
これからNISAを始めようとする人にとっては、インデックッスファンドへの定額購入法による長期投資が選択肢となります。分散投資の効果をもつ株価指数の力を、持続可能なゆとりある暮らしに向けた投資に取り入れます。
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