資産形成スタイルとは適切な家計管理の実践、および資産形成の基本となる考え方や投資手法のことを指します。最も当てはまる資産形成スタイルの発見は、人生にとってエポックメイキングな出来事となります。資産形成の目的の曖昧さを排除して明確な目的を持つことで、資産形成へのモチベーションを維持できます。
基本となる長期・積立・分散投資という資産形成スタイル
初心者にとって最も当てはまる、投資リスクを軽減するための資産形成スタイルが長期・積立・分散投資です。
分散投資とは1つの資産だけに投資するより、値動きが異なる複数の資産に分散して投資を行うことです。価格の変動をある程度抑えられ、安定的な運用を目指すことができます。
等金額による積立投資は自動的に安いときに多めに購入、高いときは少なめに購入となる投資方法です。時間分散効果のメリットが得られ、売買価格の平準化につながり投資リスクを軽減できます。売買タイミングを考える必要性や値動きをチェックする時間が少なくなり、感情に左右されず投資に対するストレスを減らせます。
長期投資では複利の効果が、大きくなるというメリットがあります。
基本となる長期・積立・分散投資という資産形成スタイルは大きな価格変動を抑えつつ、安定的なリターンが期待できます。
長期・積立・分散投資を踏まえ、アクティブに投資手法を選択する

(Ⅰ)広範な地域へ分散する株価指数を活用する投資手法
広範な地域への分散投資により、地政学的リスクや地域経済の変動リスクを分散します。世界に分散する株価指数に連動した投資成果を目指すインデックスファンドを活用します。市場予測に基づかない運用手法で、株価指数はベンチマークと呼ばれます。
広範な地域へ分散する世界株価指数をベンチマークとするETF、およびインデックスファンドがあります。
① 先進国23カ国および新興国24カ国の合計47カ国の2645社から構成される「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動を目指すETFが上場されています。
② 先進国23カ国の1395社から構成される「MSCIワールド・インデックス」に連動を目指すETFが上場されています。
③ 日本を除く先進国22カ国の1204社から構成される「MSCIコクサイ・インデックス」に連動を目指すインデクスファンドがあります。
(注)アクセス2025年3月14日
(Ⅱ)国別の株価指数を活用する投資手法
① S&P500指数に、連動を目指すETFが上場されています。
S&P500指数はニューヨーク証券取引所とナスダックに上場している銘柄から選んだ、アメリカを代表する500銘柄で構成されています。
② ナスダック総合指数に、連動を目指すETFが上場されています。
ナスダック総合指数はナスダック証券取引所に上場している3000社以上の銘柄の全てを対象に、時価総額加重平均で算出した指数です。
ナスダック証券取引所とは、アメリカのベンチャー向け株式市場でアメリカにおける代表的な株式市場の一つです。
③ ナスダック100指数に、連動を目指すETFが上場されています。
④ 日経平均株価に連動を目指すETFが上場されています。
日経平均株価は日本に投資するインデックスファンドのベンチマークとして活用され、東証プライムに上場する225社から構成されます。
⑤ 東証株価指数に連動を目指すETFが上場されています。
東証株価指数は日本に投資するインデックスファンドのベンチマークとして活用され、東証プライム上場の全銘柄1635社から構成されています。
(注)アクセス2025年3月14日
(Ⅲ)市場テーマ別の株価指数を活用する投資手法
① ⽇経半導体株指数に連動を目指すETFが上場されています。
東京証券取引所に上場する主要な半導体関連銘柄30社から構成される時価総額加重⽅式の株価指数です。
② S&P 500 半導体・半導体製造装置35%キャップ指数に連動を目指すETFが上場されています。
S&P 500 半導体・半導体製造装置35%キャップ指数は、 S&P 500 半導体・半導体装置(産業グループ)指数の構成 銘柄のパフォーマンスを測定します。株価指数はフロート調整後の時価総額加重方式を採用しており、1社あたりの比重は指数全体の 35%を上限としています。
(Ⅳ)配当利回りに着目して分散する投資手法
安定的に配当を得られる投資対象に投資できれば、新NISAの非課税の恩恵を受けやすいと考えられます。高配当株の魅力は株価の変動に左右されず、配当金という形で安定した収益を得られる点です。企業の業績が安定している場合、株主に定期的に配当を支払うことが多く、長期的な資産形成に役立ちます。高配当株は比較的リスクが低いとされています。高配当を提供している企業は、一般的に成長段階を過ぎ、安定した利益を上げ続ける成熟企業が多いとされます。成熟した企業は成長余地が限られているため、利益の一部を配当として株主に還元する傾向があります。配当利回りの高さだけに注目せず、企業の業績ならびに配当の持続性を確認する必要があります。
① 日経平均高配当株50指数に連動を目指すETFが上場されています。
⽇経平均採用銘柄から流動性を加味して配当利回りの高い50銘柄から構成されています。
② J-REIT (不動産投資信託)が上場されています
不動産などに対して投資し、購入した物件の賃料収入や、物件の売買で得られた収益を投資家に分配します。安定的に配当を得られるJ-REITに投資すれば、新NISAの非課税の恩恵を受けやすいと考えられます。
ここにあげたETFやインデックスファンドのベンチマークとして活用される、株価指数の過去の市場動向を把握して下さい。代表的な株価指数の過去の変動リスクの大きさを知ることは、資産形成を行う場合の心構えになると思われます。
自分に最も当てはまる資産形成スタイルを発見することは、資産形成を継続する上で重要な要素となります。
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