米国の新規失業保険申請件数の意味するものは何か?
米国の新規失業保険申請件数の4週間移動平均

グラフは米国のコロナ禍に基づく国家非常事態宣言が解除された2023年5月以降の新規失業保険申請件数の4週間平均の推移です。
米企業の解雇動向を映す週間の新規失業保険申請件数は、労働省雇用訓練局が毎週木曜日に公表します。新規失業保険申請件数は米国の雇用状況を示す経済指標で、失業者が失業保険給付を初めて申請した件数を集計したものです。速報性が高いことから、失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として雇用市場の健全性が測定されます。新規失業保険申請件数が増えるということは失業者の増加をあらわし、雇用情勢の悪化を意味しています。新規失業保険申請件数が低いほど雇用状況が良いことを意味します。
新型コロナウイルスのパンデミックは、世界の政治・経済に深刻な影響を与えました。2020年4月には新規失業保険申請件数の4週間移動平均値は、比較できる1967年以来最高の529万人が記録されています。
新規失業保険申請件数が注目されるもう一つの理由は、景気後退の先行指標とみなされていることです。雇用情勢の悪化に反応して継続的に件数が増加すれば、景気は悪化していると考えられます。
1990年以降、新規失業保険申請件数が40万人程度を下回ると、非農業部門雇用者数が持続的に増加する傾向がみられます。30万人程度が目安になることもあります。
景気拡大局面か、それとも景気後退局面かを考えるには、毎週発表される数字の4週間移動平均値をチェックするのが一般的です。4週間移動平均値が40万件を超えている状態が続いている場合は、景気が後退局面に入ったと判断できます。新規失業保険申請件数が40万人を超えるかどうかが雇用環境悪化のボーダーラインとされています。40万件を超えると雇用状況はかなり悪いと判断されます。
景気サイクルとの関係でみますと、30万件を安定的に下回っている時期は非農業部門雇用者数が増加し、失業率も低下傾向にあるケースが多いと考えられます。30万件超が数週〜数か月続くと、雇用市場の軟化や景気減速の可能性が高まる傾向があります。
米国の新規失業保険申請件数の意味するものは

直近3週間の新規失業保険申請件数の4週間平均は2026年8月1日に199,000件、8月8日に199,750件、8月15日に204,000件でした。
新規失業保険申請件数の4週間平均でみますと、米国労働市場は、強いがやや減速の兆しという状態です。米国労働市場は、失業は歴史的低水準であり、レイオフは極めて少ないけれども、採用はやや鈍化”という状態です。
AIを理由に挙げる人員削減計画が加速しているとされます。
AIは膨大なデータを学習することで企業の生産性を高め、特定の業務を人間に代わって遂行できます。AIへの巨額投資を背景に効率化の流れが進むことで、一部の職種や業務では人員削減につながるとの指摘があります。


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