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FRBが金融政策で、最も重視しているPCE価格指数とは?

  • 執筆者の写真: 山木戸啓治
    山木戸啓治
  • 6月1日
  • 読了時間: 5分

米国の経済動向を知ることは、日本企業の業績見通しを知る上で、重要な要素となります。日本企業の業績見通しも、米国の経済動向が前提となるからです。米国経済の想定以上の変調があれば、日本の株価の大幅な変動要因となる可能性があります。


米国のPCE・コアPCE(個人消費支出)価格指数 前年同月比

米国商務省経済分析局公表のPCE(個人消費支出)は、米国の個人消費者が実際に使った金額にもとづいて集計されます。
GDP構成比率の約7割を占める個人消費の動向を表していることから、市場参加者の関心が非常に高いデータです。
生鮮食品と外的要因に左右されやすいエネルギー価格は、変動幅が激しいので、2つを除外したものをコアPCEとしています。
生鮮食品やエネルギーを除いた数値が上昇していれば、単なる価格のブレではなく物価上昇が進んでいると考えられるからです。 

(出典)米国商務省経済分析局


米国商務省経済分析局公表のPCE(個人消費支出)は、米国の個人消費者が実際に使った金額にもとづいて集計されます。GDP構成比率の約7割を占める個人消費の動向を表していることから、市場参加者の関心が非常に高いデータです。

生鮮食品と外的要因に左右されやすいエネルギー価格は、変動幅が激しいので2つを除外したものをコアPCEとしています。生鮮食品やエネルギーを除いた数値が上昇していれば、単なる価格のブレではなく物価上昇が進んでいると考えられるからです。 

コアPCE価格指数の上昇率は2021年4月に目標の2%を上回り、2022年2月にはコアPCE価格指数は前年同月比で+5.6%上昇しました。この時の上昇率は第二次オイルショックの1982年1月以来、約40年ぶりの高水準でした。

直近3カ月のコアPCE価格指数は、2026年2月前年同月比で3.03%の上昇、3月3.24%の上昇、4月3.29%の上昇となっています。

瞬間風速を示す前月比のデータでは、2026年2月前月比+0.40%、3月+0.30%、 4月+0.24%の上昇となっています。

コアPCE の長期目標である2%と比較すると、依然として高い水準にあります。

住居、医療、外食のサービス価格は、一度値上がりするとなかなか下がりにくい人件費を原因として、高止まりする性質があります。

米国では住居関連はコアCPIで33%程度、コアPCEでも15〜18%程度を占める重要な項目です。住居インフレは家賃の反映が遅く、実際の家賃相場が落ち着いても統計上は高止まりしやすいため、この部分が鈍化しない限り、コアPCE全体のインフレ低下ペースも緩やかになりやすいと考えられます。

総合指数であるPCE価格指数の直近3カ月は、2026年2月前年同月比2.86%の上昇、3月3.53%の上昇、4月3.77%の上昇です

瞬間風速を示す前月比のデータでは、2026年2月前月比+0.40%、3月+0.66%、4月+0.40%の上昇です。

PCE価格指数の上昇は、エネルギー価格の急上昇と、いったん上がるとなかなか下がらないサービス価格の上昇が主因です。

米国でPCE価格指数が重要だとされるのは、FRBが金融政策の決定の際のデータとして重視しているからです。FRBが開くFOMC(米連邦公開市場委員会)は、半期に一度「金融政策報告書」を米議会に提出することが義務づけられています。2000年に議会に提出した半期報告書からインフレ予測に使う価格指数をCPIからPCE価格指数に切り替えました。

2012年1月にFOMCは長期の目標および政策戦略の中で、PCE価格指数の前年比2%上昇をインフレの長期的な目標水準にするとしました。FRBは物価に対して特定の長期的な目標を置くこととし、それをPCE価格指数の前年比2%の上昇としています。米国の金融政策の行方を占うためには、不可欠なデータと捉えられています。FRBはFOMCが公表する「経済予測」の中でも、インフレの見通しにPCE価格指数を使用しています。

値動きが激しい生鮮食品と外的要因に左右されやすいエネルギー価格は変動幅が激しいので、2つを除外したものをコアPCEとしています。生鮮食品やエネルギーを除いた数値が上昇していれば、単なる価格のブレではなく物価上昇が進んでいると考えられるからです。 

物価を表す指標としては、PCE価格指数とCPI(消費者物価指数)の2つの指標があります。FRBは金融政策運営で、中でもPCE価格指数をもっとも重視しています。PCE価格指数を重視する理由は、CPIに比べて広範囲の物価動向を反映し、家計の実際の消費の変化を映すからです。家賃などの影響を強く受けるCPIより物価の実態に近く、よりブレを抑えて物価動向をとらえられます。CPIは食品、住居費、交通費、医療費など生活のほぼ全般を対象にします。PCE価格指数は、更に公的な医療制度または保険などを通じて、国あるいは企業側が支払った医療費などまで含みます。どの品目を指数にどう反映させるかの判断を毎回調整できるなど、消費の変化にもより柔軟です。

   

米国のCPI・コアCPI(消費者物価指数)前年同月比の推移

CPIは、労働省労働統計局(U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS)が毎月第2週目の木曜日に発表する統計指標です。
家計収支の変化を毎月反映するので、一般の消費者が購入する商品とサービスの価格を反映しています。人口の約90%を対象とする全都市消費者物価指数(CPI for All Urban Consumers)が使用されています。都市部に住まう生活者の生活コストの変化を把握するのが、主な目的となっています。商品やサービスの価格がどう変化したかを調べる指数なので、実際の景気よりも数か月~半年ほど遅れた数値が出てきます。CPIが「店頭の値札」を集計した指標であるのに対し、PCE価格指数は「家計の実際の支出」を集計した指標と捉えられます。

CPIは、労働省労働統計局(U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS)が毎月第2週目の木曜日に発表する統計指標です。家計収支の変化を毎月反映するので、一般の消費者が購入する商品とサービスの価格を反映しています。人口の約90%を対象とする全都市消費者物価指数(CPI for All Urban Consumers)が使用されています。都市部に住まう生活者の生活コストの変化を把握するのが、主な目的となっています。商品やサービスの価格がどう変化したかを調べる指数なので、実際の景気よりも数か月~半年ほど遅れた数値が出てきます。CPIが「店頭の値札」を集計した指標であるのに対し、PCE価格指数は「家計の実際の支出」を集計した指標と捉えられます。

全体の動きを表す通常のCPIを総合指数と言います。コアCPIは総合指数から、生鮮食品とエネルギーを除いた指数です。生鮮食品は天候により数値が大きく変わり、エネルギーは海外情勢の影響を受けるためコアCPIでは、生鮮食品とエネルギーを除外します。コアCPIは総合指数よりもさらに実際の消費者の体感に近いものとなっています。

現状は2022年2月のピークの+5.6%から比較すると大幅に低下しています。

直近の3カ月のコアCPIの推移をみますと、2026年2月に前年同月比+2.47%の上昇、3月+2.60%の上昇、4月+2.74%の上昇です。

 瞬間風速を示す前月比のデータでは、2026年2月に前月比+0.22%、3月+0.20%、4月+0.38%でした。

直近3カ月の総合指数のCPIの推移を見ますと、2026年2月に前年同月比+2.43%、3月+3.29%、4月+3.78%の上昇です。

瞬間風速を示す前月比のデータでは、2026年2月に前月比+0.27%、3月+0.87%、3月+0.64%でした。

3月のCPI は、インフレが再加速したことを示す非常に特徴的な内容です。イラン戦争によるエネルギー価格ショックで、ガソリン価格が21.2%の上昇と歴史的な急騰を見せた点が決定的です。

3月~4月にかけてのインフレ再燃の主犯はエネルギー価格です。ガソリンという生活必需品を起点としたインフレの再燃は消費者マインドを一気に冷え込ませました。





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