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米国労働市場は、完全雇用の状態なのか?

  • 執筆者の写真: 山木戸啓治
    山木戸啓治
  • 1月10日
  • 読了時間: 4分

更新日:1月10日

米国失業率(Civilian unemployment rate)の推移

米国雇用統計は労働省労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics )が、雇用情勢を示すために毎月発表する指標です。グラフのグレイの網掛けの部分は、National Bureau of Economic Research(国家経済調査局)が公表した不況期です。雇用統計の内容が注目される理由として、アメリカで雇用情勢が個人消費に直結する点が挙げられます。アメリカの個人消費は、同国のGDPの約7割を占めているため、雇用状況によって経済が左右されやすくなっています。

(出典)労働省労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics )米国雇用統計失業率 

 米国雇用統計は、労働省労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics )が雇用情勢を示すために毎月発表する指標です。グラフに示されたグレイの網掛けの部分はNational Bureau of Economic Research(国家経済調査局)が公表した不況期を表しています。毎月米国雇用統計の内容が注目される理由は、アメリカで雇用情勢が個人消費に直結する点が挙げられます。アメリカの個人消費は同国のGDPの約7割を占めているため、雇用状況によって経済が左右されやすくなっています。

 雇用の状況によっては米国市場のみならず、日本の輸出並びに為替市場にも影響を与えることがあるため、注目しなければなりません。

 米雇用統計における失業率とは、アメリカ国内の失業者数を労働人口で割って算出し、割合と増減をまとめたものです。失業者とは、現在就業していなくて16歳以上の働く意志を持つ人です。労働力人口は失業者数と、就業者数を合わせて算出します。

米国の雇用統計の失業率では、4週間以上職探しをしていない人を労働力人口に含めません。このため、職探しをあきらめてしまう人が増加した場合、失業率の分母が小さくなって失業率が改善してしまう可能性もあります。

業績悪化の際に取られる従業員を一時的に解雇するレイオフが急増するのは、景気後退期に入ってしばらくしてからになります。失業率は経済動向が変化してから、一定の時間が経過した後に遅れて変動するという特徴があります。


失業率からみる完全雇用の水準とは

米国の失業率は2023年1月にオイルショック前の1969年以来、53年ぶりの低水準となる3.4%を記録しました。 FRBの2022年3月の利上げ開始から2年3カ月経過し、2024年5月には失業率は4%を上回る水準へと変化しました。2025年9月失業率は4.4%、11月失業率は4.5%、12月失業率は4.4%となっています。 完全雇用とは、現行の賃金水準で働くことを望んで、就業の機会を得られない労働者がいない状態です。米国では、失業率が5%を切る水準はほぼ完全雇用といわれます。FRB(米連邦準備制度理事会)では失業率の4%程度が労働市場の長期的な均衡水準とみています。失業率が4%未満であれば完全雇用の状態と考えられています。

(出典)Unemployment Rate, Percent, Monthly, Seasonally Adjusted

米国の失業率は2023年1月にオイルショック前の1969年以来、53年ぶりの低水準となる3.4%を記録しました。

FRBの2022年3月の利上げ開始から2年3カ月経過し、2024年5月には失業率は4%を上回る水準へと変化しました。2025年9月失業率は4.4%、11月失業率は4.5%、12月失業率は4.4%となっています。

完全雇用とは、現行の金水準で働くことを望んで、就業の機会を得られない労働者がいない状態です。米国では、失業率が5%を切る水準はほぼ完全雇用といわれます。

FRB(米連邦準備制度理事会)では失業率の4%程度が労働市場の長期的な均衡水準とみています。失業率が4%未満であれば完全雇用の状態と考えられています。 


米国の労働参加率とは

就業者および求職者の合計の労働力人口の、生産年齢人口に占める割合を労働参加率と呼んでいます。 1948年から2025年の平均値は 62.8%程度となっています。米国の労働参加率は新型コロナパンデミック以降に2023年8月62.8%まで回復しました。それ以降は、2025年9月62.5%、11月62.5%、12月62.4%と横ばいの状態が継続しています。

(出典)Labor Force Participation Rate, Percent, Monthly, Seasonally Adjusted

就業者および求職者の合計の労働力人口の、生産年齢人口に占める割合を労働参加率と呼んでいます。

1948年から2025年の平均値は 62.8%程度となっています。米国の労働参加率は新型コロナパンデミック以降に2023年8月62.8%まで回復しました。それ以降は、2025年9月62.5%、11月62.5%、12月62.4%と横ばいの状態が継続しています。

米国の労働市場を理解するうえで、労働参加率と 失業率 の関係はとても重要です。労働参加率が下がると、失業率は見かけ上低くなります。労働参加率が上がると、失業率は一時的に上がることがあります。労働参加率が低いと失業率は過小評価される傾向があり、失業率だけでは労働市場の強さを判断できません。


非農業部門全体の求人数とは

米国非農業部門の求人総数(JOLTS Job Openings)は、労働統計局の求人・離職動向調査によって測定されます。雇用市場の労働需要および労働力不足を測る指標です。求人数の増減は、企業が労働力をどれだけ必要としているかを示しています。非農業部門求人件数の景気を冷やしもせず、過熱もさせない帯域と考えられる中立的な水準は 600万〜700百万件程度と推定されます。 コロナ禍以降の2022年3月に非農業部門全体の求人件数は、1218万件まで増加しました。 直近3カ月では2025年9月765.8万件、10月744.9万件、11月の714.6万件となっています。11月は前月比30.3万人減少となって、2024年9月以来で1年2カ月ぶりの低水準となりました。 瞬間風速を示す前月比のデータでは、2025年9月に前月比+5.96%、10月−2.73%、11月−4.07%となっています。業種別では、求人と採用は宿泊・飲食サービス業で特に減少しています。 米国の労働市場は過熱ではありませんが、依然としてタイト寄りと考えられます。現状では景気は減速していますが、労働市場はまだ冷え切ってはいないという評価が妥当と思われます。 今後、労働市場の悪化をもたらす極端な移民排斥は、穏やかな景気減速につながる可能性があります。失業率上昇と雇用増の鈍化は、労働市場の転換点を示唆します。

(出典)Job Openings: Total Nonfarm, Level in Thousands, Monthly, Seasonally Adjusted

米国非農業部門の求人総数(JOLTS Job Openings)は、労働統計局の求人・離職動向調査によって測定されます。雇用市場の労働需要および労働力不足を測る指標です。求人数の増減は、企業が労働力をどれだけ必要としているかを示しています。

非農業部門全体の求人件数が増加する場合は失業率が低くなり求人件数が減少する場合は失業率が高くなる傾向にあります。

非農業部門求人件数の景気を冷やしもせず、過熱もさせない帯域と考えられる中立的な水準は 600万〜700百万件程度と推定されます。

コロナ禍以降の2022年3月に非農業部門全体の求人件数は、1218万件まで増加しました。

直近3カ月では2025年9月765.8万件、10月744.9万件、11月の714.6万件となっています。11月は前月比30.3万人減少となって、2024年9月以来で1年2カ月ぶりの低水準となりました。

瞬間風速を示す前月比のデータでは、2025年9月に前月比+5.96%、10月−2.73%、11月−4.07%となっています。業種別では、求人と採用は宿泊・飲食サービス業で特に減少しています。

米国の労働市場は過熱ではありませんが、依然としてタイト寄りと考えられます。現状では景気は減速していますが、労働市場はまだ冷え切ってはいないという評価が妥当と思われます。今後、労働市場の悪化をもたらす極端な移民排斥は、穏やかな景気減速につながる可能性があります。失業率上昇と雇用増の鈍化は、労働市場の転換点を示唆します。





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